SHIBUYA WEST REPORT 会場が暗転し、歓声と拍手が沸き起こる。

外は日が暮れ、冬の寒さが肌に突き刺さる中、渋谷O-WESTは開演前から熱気に包まれていた。
12月6日、今回で4回目の開催となるイベント「Scorebook」が行われた。
“若くてライブ力のあるバンドを体感してほしい”というテーマが掲げられた今イベント、
これまでは下北沢SHELTERで行われてきたが、今回はその特別版として2公演に分けて実施。そんな第1回には、Yogee New Waves、the band apart、DENIMSといった若手からベテランの3組が渋谷O-WESTに集結した。

DENIMS

いっせいに楽器が鳴り出したかと思うと高らかな声が会場に響きわたる。
本日トップバッターとしてオープニングアクトを務めたのは、大阪出身DENIMS!ミドルテンポのソウルミュージックに愛すべきダメな大人達のありふれた日常を歌ったダンスナンバー、『DAME NA OTONA』からスタートしたライブは、矢継ぎ早にバラエティ豊かな曲たちを次々に叩き込んでいく。
DENIMUSの音楽を初めて体感する人が多い中、躍らせ上手な彼らのライブに会場はすぐに飲み込まれていった。その後もオーガニックなグルーブで会場を包み込んだ『BENNY』、細かなギターテクニックが際立つアップテンポな恋愛ソング『わかってるでしょ』など、彼らの音楽を全身で感じ揺れる会場はまるでダンスホールと化してるようだった。
終盤のMCでは「今日はこんな素晴らしいイベントに僕達はまさか呼んで頂けるなんてことは、まぁ思ってましたけど。」とVo. 釜中のビックマウスが炸裂し会場を沸かせた。
最後の曲「たりらりら」に突入すると、まるで競い合うかのような楽器同士の掛け合いを披露し、オーディエンスもさらにヒートアップ。熱が冷め止まぬまま次のステージへと繋げた。
途中MCで、「日本中でオープニングアクトしてるバンドの中で、僕たちが一番かっこいいライブをします!」と釜中が言い放ったが、オープニングアクトとしては十分すぎるほどに会場を暖め、しっかりと自分たちの存在をオーディエンスの心に残したライブだった。

the band apart

ギター音が鳴った瞬間、オーディエンスからは「待ってました!」と言わんばかりの歓声が。これだけの歓声を集めたのはこのバンド。the band apart!
初っ端から全英詞の『Eric W』と『higher』といったライブ定番の曲たちが投下され、一気にバンアパの世界へと引き込んでいく。照明をも操っているかのような彼らのダンスミュージックに度々フロアからは腕がつき上がり会場の熱はヒートアップしていく。
淡々と演奏している様に見えて、1音1音をしっかりオーディエンスと呼吸を合わせるように刻み込んでいく彼らのライブは、誰一人と残さないように同じ空間で楽しめるように繋ぎとめていくかのようだった。
中盤のMCでは、Vo.荒井が「若手の方達が集まったイベント……自分たちのこと若手だと思ってたけど、この10年くらいで繰り上がっちゃった。もうじじいのお戯れだよ」Ba.原もそれに乗せて「会社で上司に説教されて鬱憤晴らしに来てるんでしょ。 また上司みたいなの出てきちゃったよ、俺達に会ったら嫌になっちゃうでしょ」と、さっきまで演奏していた彼らからは想像のつかないゆったりMCを繰り広げ、会場の笑いを誘った。
そしてここからは一気に急加速!リズム隊が曲間を繋ぎ、音を一切止めることなく駆け抜けた。
ドラムカウントの流れから入った『ピルグリム』、日本語詞になるとやはりダイレクトに心に響き、ギターとベースの細かなフレーズにはオーディエンスを自然と横に揺らす。続く『夜の向こうへ』では、サビでオーディエンスから合唱が起き、クラップも今日一の一体感を見せるなど会場のボルテージも最高潮に達していた。
そのまま誰一人も残さずに巻き込み、バンアパの世界観を作り上げた。

Yogee New Waves

DENIMS、バンアパと続き、熱気と興奮が冷めぬ会場は本日最後のアーティストの登場を待ちわびた。
ドラム音と同時にフロアからはクラップが鳴り出し、歓声の中Yogee New Wavesの登場!
初っ端から、彼らの代表曲ともいえる『Good Bye』、オーディエンスとの合唱を起こした『Ride on Wave』を畳み掛け、即効性というよりも心にじわじわ響く楽曲たちに、会場は一瞬にしてここちよい雰囲気を作り出した。彼らの細かなギターテクやベースラインは自然と体を揺らし、度々向き合いながら演奏する姿に時折オーディエンスからは歓声が飛ぶ。
途中のMCでは、Vo.角館が「バンアパが好きでコピバンがしたい!」と話し『Eric.W』を1フレーズ演奏し会場を沸かすなど、オーディエンスの心を掴むのもお手の物。「クールにやるつもりだったけど楽しくなっちゃって」と、いい意味で格好つけずにありのままの表情を覗かせた。
続く『Camp』では、薄暗い照明の中でのゆったりとした演奏とVo.角館の天に伸びるような心に響く歌声が会場を包み込み、そっと寄り添ってくれているかのような安心感と、壮大さまで感じる演奏に聴き浸った。
そして、彼らの代表曲ともなっている「Climax Night」から本編最後の「Like Sixteen Candles」まで、横揺れの心地よい音楽たちや反対にアグレッシブな演奏でオーディエンスを躍らすなど、様々なヨギーの表情を見せ本編は終了。
会場の拍手は鳴り止まず、再びアンコールで迎えられたメンバー。「ありがとうございました!バンアパとDENIMSに拍手!」と一緒に会場を盛り上げた2組へ拍手を送り、最後の曲『Listen』を披露。曲中は常にクラップに包まれ、メンバーがはけても尚、暖かい拍手が鳴り止まなかった。

今回出演した3バンドは、いい意味でライブでの一体感を追求しすぎず、ひとりひとりが自然と体を揺らしたり手を挙げたりと自由に楽しめるイベントだった。
今のバンドのライブの多くは、みなが同じ速度で手を挙げたり降ったりするということがいつの間にか固定化していることが多い。そんな中、今日のイベントのように周りに合わせずひとりひとりが自由に楽しめるライブはとても新鮮だった。
Yogee New Waves、the band apart、DENIMS の3バンドによって、Scorebookの新たな1ページが刻まれた。
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